Kagewari 精神分析相談事務所  HP  BLOG  過去ログ  有料メール相談 

「掲示板での相談、閲覧・有料メールカウンセリング」の過程では、自我の防衛反応による混乱(興奮)が現れます。精神分析的アプローチによる「自我構造(こころ)の揺れ」です。その点に同意の上入室してください。



277 うつ病です けいじ 2004/01/17 00:49
配偶者が定職につかず、金銭的な負担からうつ病になりました。一年近く通院し、薬漬けの後、現在は体全体に疲労によるものと思われる湿疹、頭痛、腹痛に悩んでいます。抜け出せない金銭的な負担、気にしていないつもりですが、体は意外に正直でした。誰も心が不安定だなんて信じてくれないくらい、がんばってはいます。このまま負担にも慣れるといいのですが・・・。
278 定職につかない配偶者について kage 2004/01/17 03:36
詳しく教えて下さい。
 その名目上の理由、そしてあなたが思う本当の理由。
 金銭的に苦しんでいる事情(食費にも困るのか?マンションなのどのローン
なのか?あるいはカードローン等の借金か?)

 鬱に至る連想が、上記の答えの中に隠れています。
 服従に近い「逃げ出せない感覚」の原因を探る必要があるのです。
 おそらく、、その中に「逃げ出してもいい事柄」が含まれています、あるいは
「むしろ逃げ出すべき事柄」が、です。
 その状況の閉塞感が、無理な現状追認に繋がり「終わりが無いのではないか?」
との不安を生み出しているのだ、と考えて下さい。

 思うより、実は選択肢はあって、問題は「その選択の自由の喪失」にある筈です。
279 鬱病です。 けいじ 2004/01/17 23:06
金銭的には、貯金をすべて使い果たしました。カードローンをしています。もうすぐ借りることもできなくなると思います。
通院のお金にも困って・・・もう通院もやめなければと思っています。
家族には頼ることができません。
自分の実家は頼れば離婚するよう言われるでしょうし、配偶者の実家に頼ることになれば、配偶者が怒るでしょう。わがままですが、失職、転職の話をするだけでも怒ります。配偶者のもどかしさもわかるので仕方ないです。
配偶者の趣味は音楽です。その練習でほとんど自由な生活をしています。
うらやましいとは思います。自分にはたいした趣味はないから。
終わりはないでしょう。離婚することも考えていません。
鬱病になっていることも通院しているのも配偶者には話していません。
自分の食事を切り詰めてもほとんど役に立っていません。
自己犠牲を喜びに思う自分がいるので、このままでいいのかもしれません。
280 正直なところ kage 2004/01/18 02:57
 あなたは夫ですか?妻ですか?
 表現の中で最も気にかかるのは「配偶者」という『人物を特定する代名詞』では
無く『社会的属性名称』である事です。
 平たく言えば、随分他人事のような「非親近感」を感じます。
(俺のHP上での相談説明の表現が呼び水になっていたとしてもです。)
 あなたが夫の場合、たった30年ほど前のこの国の勤労者家庭(実は少数派ですが)
の『配偶者』は専業主婦であり、職場は家庭内での采配でしたから「働かない事を
悩む」と表現される事は正確ではありません。
文面から察するに「浪費が過ぎる」では無いですか?
 「浪費が過ぎる」と表現されない理由は明白です。
>うらやましいとは思います。自分にはたいした趣味はないから。
 ここです。
 『配偶者』の活動は「浪費ではなく、うらやましいこと」になっています。
 むしろ「有意義な活動」とも言えるような意味で、です。構造としては、意義深
い活動をする『配偶者』を支えたいが、限度というものがあり、自分の活動なのだ
から、少しは働いてもらいたい、、という辺りでしょう。
 この事実関係と以下の部分は密接な関係にあります。
>鬱病になっていることも通院しているのも配偶者には話していません。
 ここです。
 つまり、『配偶者』に対する公開されない秘密、隠蔽、隠匿、羞恥心、分離。
 肝心な事は『配偶者の音楽』に対してなんらコメントが無い事です。
 もし、その活動が『配偶者のアイデェンティティー』だとした場合、その音楽に
関心がないとすると、あなたは配偶者の存在に関心が無い、という事になります。

 「よくわからないことをしているのに、うらやましい」

 ここが矛盾の中心です。
 うらやまいい事の根拠がありませんから、その活動を支えても「甲斐」を感じる
事は不可能です。
 即ち、「甲斐」になってもおかしくない気持ちは、全てあなたのストレスになっ
てしまいます。極端に言えば「喜びでもあっていいものが不快と認知される」から
です。気持ちにストレートになるなら「そんなくだらんもんさっさとやめろ」を、
発端に喧嘩となり関係は変化するでしょうし、「よしわかった、君の音楽のために
人肌脱ごう」ならその後「今日のライブの出来はどうした事か」のような会話を、
発端に関係は変化するでしょうし、「僕が詩を書こう」ならある意味もっと激しい
争いになるでしょう。
 つまり関係が密接なら、現状の悩みは有り得ないのです。

 『配偶者』は「失職、転職の話をするだけでも怒る」のですから、およそ音楽を
する人物とは思えません。何故なら芸術家が「定職についてお仕事をする」的世界
を支持する事自体、不自然だからです。

 第二の矛盾です。「配偶者の活動は、たいした事ないのではないのか?」
 だとすると大変です、「最初から根本的に支える甲斐がありません」。
 しかし、この考えがけいじさんの自我に浮かばなかったのは明白なのです。
 何故なら「自分にはたいした趣味はないから」です、この自信の無さが原因です。

 全体をまとめてみましょう。

 けいじさんは「趣味など自由奔放に振舞う自分の姿」を無理やり自分のこころに
押しやっています。ですから(自分こそそうしたいので)『配偶者』の活動を阻止
する事が構造的に不可能です。そして、その『配偶者』との関係の非親密性は、自
分には出来ない事をしている人物に悩む=自分の「自由奔放に振舞う気持ち」を、
押し殺す自分、そのものです。
 ある意味現状の『配偶者』との人間関係は、あなた自身の悩みそのものを表に出
しているのと同義です。

 ここで以下の文面の意図に気がつきませんか?
> 自分の食事を切り詰めてもほとんど役に立っていません。
> 自己犠牲を喜びに思う自分がいるので、このままでいいのかもしれません。
 これはけいじさんが、けいじさん自身に投げかけられた言葉なのです。
 「自分はこのままでいい」のだと。
281 おっしゃるとおりです。 けいじ 2004/01/18 17:02
私は女性です、つまり配偶者は夫です。
お答えありがとうございました。うなずくことが多かったですが、
ひとつ違うことがありましたので、お伝えいたします。
配偶者の趣味である音楽に対しては理解しています。
また、ご連絡いたします。
282 補足になりますが kage 2004/01/18 22:55
 配偶者の(セミプロ活動)である音楽を理解するなら「貴女の趣味は音楽」と
言えますから「自分には趣味が無いので羨ましい」が根底から覆ります。
 その時、話題の中心は、生活や配偶者の就職ではなく「音楽の質」です。
 彼の音楽が貴女の満足するレベルである時、構造的にそれはストレスになりま
せん。(芸術家を支えるのですから)
 「理解」とは、服従に近い(或いは熱心なファンのレベル)ものでは無いです
か?そうでなければ、そもそも「彼を働かそう」と思わない筈です。貴女が彼の
パトロンになるのですから、ストレスは「資金的余裕の無さ」による現実の苦し
さに留まるでしょう。(貧困に悩む事自体は「鬱」と直接結びつかないからです)

 彼の就労に対して不満があるのは「自由奔放な人物に、脅迫的に逆らえない」
からで、それは同時に「自分自身が就労している根拠」が、実は確かで無いから
です。その根拠が明白なら「働かないお前は○○○(根拠)だ」とはっきり言い
切れるでしょうし「極端な彼の音楽への傾倒から」「レッドツェッペリンの方が
実力は上だ」と彼の活動を客観的に受止める事ができるでしょう。

 その時貴女は逃げ出せる筈なのです。
 「自分が自由奔放では無い理由を見つけた時」にです。