Kagewari 精神分析相談事務所  HP  BLOG  過去ログ  有料メール相談 

「掲示板での相談、閲覧・有料メールカウンセリング」の過程では、自我の防衛反応による混乱(興奮)が現れます。精神分析的アプローチによる「自我構造(こころ)の揺れ」です。その点に同意の上入室してください。



522 体がおかしい かっち 2006/05/26 17:18
これは精神的に疲れてるのでしょうか?自分ではよく判断できないので
よろしくお願いします。

まず突然、体が重くなりました。そしてなんか気怠いようなしんどいような感覚があります。本当に突然きました。マイナスのことばかり考えてしまう状態です。もともと考えやすい性格だとはおもいます。なんか心臓が止まりそうな感覚というか不思議な感覚があります。家にいたらもの凄く落ち込んでくるので外でガムシャラに走ってみたくなったりします。
自分は格好をつけるタイプなので友人にも悩みを言えず抱えてしまってる状態です。

今自分は難関資格を目指していて勉強中ですがそれがなかなかうまく行かなくなり昼夜がすこし逆転しかけた生活を送っています。眠りも浅くて電気消すとよけいなことを考えてしまいます。そんな自分にイライラしたりします。親にも迷惑をかけていますし早く自立して安心させたい思いと逃げてる自分とのギャップに悩んでいます。

恋人との関係も向こうが最近素っ気ない感じがすることも不安感を覚えています。もともと相手は恋人一辺倒というタイプではないので友人との関係を大事にしますし友人といることが楽しいと良く言うのでそういうタイプの人間なんだと思います。わかってはいるんですが自分は以前のように好かれているのだろうか不安になったりします。自分は友達以下の存在ではないかとかよけいなことをウジウジ考えてしまっています。

これは一時的な五月病みたいなものなのか病院に行ったほうが良いのかどうしたら良いでしょうか?
524 まず病院ですが kagewari 2006/05/27 13:37
病院というところはサービス業です、
床屋と同じですよ
ですから、利用を考えるのであればもっと気楽に使ったらいいのです。(反対にその結果に対して大きすぎる期待をもつ事は逆に問題になります、例えば重篤な心臓疾患であれば専門医を探すところは「馴染みの医院の紹介」という事でも構いませんが、やはりそこは自己責任でもあるので「自分で専門医を探す」事になりますよね)

「なんかいい薬は無いですか(笑」

これだけでも精神的に楽になる場合もあります(「いい薬」が抽象概念であるところがミソで、偽薬的な効果が期待できます。事は心理的な問題だから余計です、そういった場合慣れた医者なら「ビタミン剤」出しておきましょうか的に、習慣性があったりする強い薬を期待していない事を先回りして理解するでしょう)。

さて、話は戻りますが。
「軽い自立神経失調」だと思います、
自律神経系の症状は、心理的な葛藤要因が潜在化している場合に起こります。(常に自我を揺るがす矛盾する無意識のストレスではないという意味です)
日常生活には、その葛藤は反応しないので、事があるまで何も起きないのであって自覚症状もありません。
ただ、潜在的な葛藤が投影される特定分野の行為をしている時にだけ「思い悩む」という形でストレスにさらされるのだと考えてもいいでしょう。
(心理的な問題に「重い軽い」“自体”には意味が無いので、葛藤要因がある事には違いはありません)


「格好をつけるタイプ」「自立を意味する難関試験」「自立と連想関係にある恋人との関係」

デ・コードしましょう

「神経質な傾向」「成功を意味する自立試験」「成功を対価とする愛情への自信(不安の裏です)」

と考えると、わかりやすいのです。
問題は、その『難関試験=自立』と考えてしまっている部分です。
これ本人にとっては重大な問題なのでしょうが、神経質な傾向があると過剰にそれを重大に考えテしまう場合があります。
神経質というのは細かいデティールに気が回るって事ですが、特徴としては視野が狭くなって、大きなフレームで考える事を忘れがちです。

そして「成功を対価とする愛情への自信」は単なる利己的発想ですから「そんな結果になるのなら、最初からこの恋愛は問題(打算に過ぎない事になりますから)だったのだ」って事です。

さて、葛藤の正面は「その難問試験をパスしないと自立を意味しない」と思ってしまうなんらかのロジックになりますが、当面は以下のように考えてみて「どうなんだろう」と様子を見てもいいでしょう。
■「難問試験にパスしたとしても、パスしなかったとしても“今”の自分が何か変るのではない、その後の自分であるだけで本質的に人間の内容に変化は無い。違いはパスしたのかしないのかの結果に過ぎない」

「どうにもその試験に(経済的な理由等も含めて)パスしないと示しがつかないのなら、そもそもこれまでその試験にパスするように全力挙げたのかが問われているだけで、最後に難関試験を控えているコースを選択することは、周辺もパスしないリスクを同時に負っているんであって、許されないことはいかにもパスしそうであると言いながら何もせずにわざと落ちるような意味不明の行為に限る」

つまり、残念だった事は、残念であって意図的な犯罪ではない。
あなたが残念なら、それを理解していた人にもそれは同時に残念であるに過ぎず(成功した時にそれが同時に喜ばしく思えるのと同じです)、考えておかなきゃいけない事は「もし失敗したらスパッと諦めるべきか、何回でも挑戦する覚悟なのか、そのどちらにするにせよ腹をくくる事だ」
525 Re:まず病院ですが かっち 2006/05/27 22:32
お返事ありがとうございました。
一つ一つ整理したらかなり正常時に戻りました。またならないか少し不安ですが・・。

難関資格を目指すと判断した時点で自分同様周りもリスクを背負う覚悟をしているのだから負い目に考えることはないと思えてきました。あとは自分の責任を果たすことに集中します。
恋人との関係も参考になりました。打算的な発想になっていたんですね。
できれば恋人との関係部分の説明をもう少し詳しくお聞きしたいです。
526 恋人との関係性に対する不安について kagewari 2006/05/27 23:27
これも人称の問題です。
彼女の主語は「彼女は」であるところがポイントです。

例えば某試験にパスする自分を“自分自身”は「自分にとってとても魅力的な要素」と考えているとします。同時に某試験にパスしない“自分”は「自分にとっても失望だ」と考えてもいる。
※ところがこの根拠は「自分ならパスするのでないかという可能性を自分自身信じている」からであり、その『根拠の根拠』は現在既に実現している自分自身の各要素から推定しているものです。

さて、彼女はあなたと関係を始めたのは「試験パス後」ではありませんし、まさか青田買いのように「試験にパスしそうな有望株だと思った」から打算的に近づいてきたのでも無いでしょう(逆に、そうだとするなら果たしてこの人物が彼女である事は「どうなんだろう」ってことになってしまいます)。
彼女は彼女なりに「自分自身を持つ独立した人格です」
彼女は自分の何処に好感を持ったのだろうか?
この部分は彼女のプラヴァシーであるばかりか、(自分自身の心理を完全に掌握する人間等いないので)彼女にすらはっきりわからない事かも知れません。

「試験にパスしないと彼女は僕に落胆する」

これは有り得ない発想ですよね。
上記の説明をよく読んでもらえればおのずとわかると思います。
そう思ってしまう背理には「自分で自分を試験にパスするのが自分にとって魅力的な要素だ」と考えているからで、

ここで試験の前から彼女への信頼が揺らぐとすると
彼女の心理は自分の考えを根拠にし過ぎてしまい、つい「彼女の独立した個人の意思(尊厳)をつい尊重できなくなっている状態」だとするなら、

「俺はこの試験にパスすべき人間で、そんな事は最初からそうと決まっている。試験にパスしなんいじゃないかと思っている奴はどうかしているんだぜ、」ぐらいの勢いで「彼女も当然(疑いもなく試験にパスする事が「あなたこそふさわしいわ!」と思っている前提になってしまうので)そう思っている」と逆算されてしまいます。

なので、

肝心要の「その自分が試験を前に不安になっているのだとしたら?」

わかりますよね?同時に彼女の自分に対する不信感を疑うようになってしまいます。
これが彼女に対しての不安感の原因です。

つまりですね、
そもそも「そんな事を考えてしまっているのは自分」なんですよ。
彼女は立派に独立した他人なんですから、
あなたと関係している背景は、彼女が彼女なりの理由で(それはあなたにもわからない自分の特徴なのかも知れない)あなたを選んでいるのであって、あなたの深層心理のこころの動きを覗き込んでいるのでもないし、そんな事は元々不可能なんです。

ここで、前回のメールの話に繋がりますよね。
自分自身が試験にパスする事を目標にこれまでやってきたのには、自分なりの根拠があった筈で、それは今も試験の後にも変わる事はありません。そもそも試験なんてものには時の運等というものも大き関わってくるものです(出題者と資格の要件そのものに対する認識が違う事だってあるんですから)、「自分には可能性がある」そう自分で思ったのならそこには自己責任が伴います。
つまり、試験に落ちたぐらいで自信を失う事は、自分に対する背信であり、それは“最も無責任な態度”なんですよ。
※なので、仮に試験に落ちたぐらいで過剰に落胆する事こそ「みっともない」話は無いのです。そういう人間を「根性無し」と呼びます。

彼女は「今のあなたと付き合っているんですよ」
その今の彼女に疑念を持つ事は、これまでの年月全てを否定し、彼女を詐欺師呼ばわりしているのと同様の行為です。

■何の『縁』なのか、何の『偶然』なのか、彼女が今自分の彼女である事に素直に感謝すれば良いのであって、“今”自分にできる事にベストを尽くす事が、その気持ちに対する“報い”なんじゃないですか?関係性に『理由』を求める事は、その関係性そのもの(縁)を貶める行為なのです。

「試験に落ちたらどうしよう」等と贅沢な悩みを持っている暇があったら、今の自分に対してベストを尽くしてください(笑
今必要なのは、不安ではなく『闘志』です、