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「掲示板での相談、閲覧・有料メールカウンセリング」の過程では、自我の防衛反応による混乱(興奮)が現れます。精神分析的アプローチによる「自我構造(こころ)の揺れ」です。その点に同意の上入室してください。



443 パニック障害の治療についての相談と提案 プロレスラーかわかみ 2005/06/24 20:37
こんにちは。わたしは発作性上室性頻拍、不安障害、そうしてうつ病となっているものです。
精神科の先生たちへのリクエストなのですが、動悸と不安が強い場合、安定剤とβ遮断薬を処方なされる先生が多いと思うのですが、その際β遮断薬オンリーよりはαβ遮断薬の使用も視野にいれて処方を考えてみていただければなと思います。β遮断薬の処方のときにはひどかった眩暈がうそのようになくなりました。それから循環器の先生ともうまく連携できるような治療体系を十分検討してみていただければなと切に願います。
こういうことをどこに書けばよいかよくわからなかったので、こちらの掲示板に書かせていただきました。
もうひとつおまけに、現在医療について多くの情報をアメリカから得ておられるだろうと推測しますが、その治療体系が日本の制度ときちんと適合しているか、ほんのり不安に感じております。先生はどのように思われておられるでしょうか?よろしければご意見をお聞かせください。
444 Re:パニック障害の治療についての相談と提案 kage 2005/06/25 00:16
フロイドは精神科医師でしたが、彼の結論が「カウチによりリラックスして座り、自由連想による精神分析」であって、
心因性の症状自体への対処に投薬を行う分野に関しては、風邪に喩えるなら「どうしても出社しなければならないので、とにかくこの発熱を抑えて欲しい」と意味合いは同じで(ご存知のとおり発熱はウイルスの増殖を抑えるために肉体がそれに対処するため体温を上昇させるものです)、治療行為というより即効性のある薬品で症状を抑えるものです。
風邪について言えば「この間に体力を回復して、自己治癒を促す」ものです。
症状が重いときにはは心因性の悩みも(話をするのも大変なケースもありますから)、何らかの対処的緩和策を考えるべきでしょう。実際悩みが「外的要因である場合」対処療法の間に「外的要因自体が解決する」事もあります。
◆心因性の悩みがあると「直接的な緩和策」を拒絶する事もあるので、複数の方向から考えなくてはいけないテーマのひとつです。
精神分析は、不快感を伴う話に及ぶ事も多いので、ケースバイケースであり「心療内科等の対処療法が向いているケース」があるのも事実です。

アメリカは、薬品メーカーが強いですから、新薬開発も盛んで遺伝体質によるもの等の身体的な問題からの心因性の問題への対処について等「飲みつづける事による対処以外方法が無いケース」へのアプローチについても進んでいるでしょうが(認可されたり、医療の現場で臨床に回されるのも自国なので早い)、リハビリと同じで、投薬だけでいいという事ではありません。
しかし、現実心因性の悩みについて投薬以外方法が無いのは、レアケースでしょう。
脳梗塞や硬膜下出血などでも機能回復はリハビリであり、投薬ではありません。

現実問題として、投薬をコーディネートするにも「問診」が基礎になりますが、悩みを持っている事自体自分の症状をうまく説明する事が容易なワケありませんから、医療関係者はテスト等の客観情報とマニュアルを重要視せざる負えないでしょう。
これをどう伝えて希望の処方を得るのかについては、メディカル関係のサイトで相談されるのも方法のひとつでしょう。

で、現実日本の医療制度下で、アメリカにおける医学的成果を迅速に取り入れられるのか?とのお話ですが、これは無理でしょう。アメリカの政府は「ヤコブ病の牛肉」や「遺伝子操作農作物」への対処でわかるとおり『企業寄り』です。
日本の厚生省は保守的で、官僚的でもありますが、アメリカのような極端な企業寄りの姿勢ではありません。
歯科医におけるレーザー治療についての認可すら遅れていますから「官僚的」という弊害も又大きいと言えるでしょう。
スピードの点でアメリカは非常に優れていますが、上記のとおりそこに問題も多いのです。

さて、それからこのサイトはテキストやHPをご覧いただければわかると思いますが、投薬関係を含む(基本的に投薬中心の医療に関しては私は懐疑的です)医療系サイトではありませんし、私は医師ではありません(サイトのプロフィールをご覧下さい)。
精神分析は自我への言語的アプローチで、心因性の症状は自我の構造上の偏りが発端ですので(素の状態で理由も無く不安感を持つ事は自然ではありませんから)これを分析して自己嫌悪のポイントや、結果として今の自我がどういう状態なのか判断する事を考えているのであり、
現代医療の問題として、心因性の悩みのコアと「医療行為そのもの」には親和性が薄い(対処療法としての“即効性”は非常に高いですが)ので(心療内科等でも「問診」として話を聞く部分が重要で、実際治療行為として「臨床心理士のカウンセリング」が勧められる事も多いですし、医師の問診がほとんどカウンセリングの内容に及ぶ医師もいます)、『文系として考えている』のです。

産業カウンセラーは、心理学系であって精神科系ではありませんし、特に精神科医療で「文系的認識」が最重要視されることも難しいでしょう(現代医療で「精神分析に対する明快な位置付け」はありません。否定的に見ている医療関係者が多いのが現実ではでいでしょうか)、現実問題「医学部」の重要なのは生理的な部分に「物理的乃至科学的」にアプローチする事なので、「文系的認識」は分野違いとなるでしょう。

しかし本来両者は補完関係(以下注※)乃至、文系として考える流れを「教養」で留める事であってはいけない事を示唆していて(このサイトのブログはカテゴリーにはメンタルヘルスが無いので、ブログカテゴリーは『文芸』です。)、精神分析とカウンセリングの関係性を考えているのです。
※私もこのサイト上で心療内科への通院を勧める場合もありますし、近々キックオフするNPO『HOW's(業務展開部門 / 心理部門コンサルタント)』でもマッサージとの連携として考えています。
当然ですが、アメリカにおける投薬について考えて情報を集める等の行為は分野違いです。

又、このサイトは即効性とも親和性はありません「ホームランを打つ即効性」と「トレーニングの方法」は矛盾するからです。ここは「相談事務所」ですから、
私は即効性を考えているのではなく「実現性」を考えているのです。
445 Re:パニック障害の治療についての相談と提案 プロレスラーかわかみ 2005/06/25 02:32
ごめんなさい。すっかり医師のかたがあけているサイトかと勘違いをいたしておりました。
もっとアピールできる医療系のサイトでこの件を書き込んでみようかと思います。
丁寧なコメントをありがとうございます。
446 Re:パニック障害の治療についての相談と提案 kage 2005/06/25 03:06
サイトに書き込む事も大事ですが、単刀直入に担当医の方に相談するべきだと思います。
医学界も、診療結果の内容がよければ頑なにそれを否定する事は有り得ないので(医療界の問題は、保健医療の点数計算が絡む事が多いですが、薬の組み合わせ等の新しい可能性等を理由も無く否定する事は無いでしょう)、患者が要求しないと医師が診療方針を適正にしてくれないのであれば、それは病院選び自体の問題なので、担当医とのやりとりと内容を、同じ症状で投薬治療を求めている人のサイトで、紹介するという形でよいのではないでしょうか。

可能性を確認したい場合には、メンタルヘルスの相談形式のサイトというより、医師が医師同士で情報交換をしているようなサイトを探してみてはいかがでしょうか。
447 Re:Re:パニック障害の治療についての相談と提案 プロレスラーかわかみ 2005/06/25 11:52
重ねて丁寧なコメントをどうもありがとうございます。
十分に参考にさせていただき相談、書き込みを行いたいと思います。
452 その後の経過について プロレスラーかわかみ 2005/07/28 01:44
追伸
その後私の場合は、やはりβ遮断薬にもどしました。また、眩暈についてはカルシウム拮抗剤を処方してもらって比較的よい状態を保っていると思います。
同じ病気で苦しんでおられる方で、この掲示板をご覧になっているかたへ、個々に、症状などは違うとは思います。疑問があれば主治医の先生(あるいはセカンドオピニオンの先生)にご相談なされることをお勧めいたします。
大変お騒がせいたしました。