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(2010/08/14)

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靴を脱ぐ暮らし(2)

『洋室』、
これは「ラーメン」であるとか「カレーライス」のようにですね、和室の一種なんだと思うんですよ。決して西洋欧州型の模倣をあたかも西洋コンプレックスで求めているなんて『戦後』ではないし、そもそも明治維新の時ですら、海外経験のある当時の知識人が西洋かぶれだったなんて事は無い。
『舶来』の価値は”希少性”だったからで、そういう希少性を認知している文化的豊かさが(なにせ言語から何でも自由気ままに便利に取り入れ、使いやすい方向に改造しちゃう自由奔放なところが日本の特徴ですから)その「良さ」なんでしょう。

西洋コンプレックス的な話じゃなくて、「なにがどうなのか」わかった上で(何か高尚な知識とかそういう意味じゃ無いですよ)「それでそうなのか、ならこれはどうかしら」になると、独立した文化として「日本のカレーライス」であって自然だいうワケです、
「ほほー始まりは海軍カレーですか」。
そこがスノビズム的に「あらいいわね」と店頭効果的部分を過大評価しただけで(知ったか的に)選んじゃうと「後で疲れちゃう」と思うんですよ(「あら美味しそうね」と入った本格カレーの店で「ちょ、ちょっと辛いわね」のように)。
自室ではリラックスしたいですからね、

昨今の日本のほとんどの方「洋服着ていますね」な文化的認知からするとどんどん土足生活だったり、日本の住居のほとんどが洋室でもちっともおかしくないのに関わらず、そんな統計的分散から見ると『既に今、大・和室ブームの真っ盛りだ』と見ていい、

■逆さまに考えると?
「それは洋室で”洋室”じゃないよ。ましてやリアル洋室でもないなら、別の意味でも中途半端じゃないか。思い切り靴脱いでいるし」なケースがまだ多く、
「そうそう”洋室”の内容いいねぇ」なる日本の洋室文化はまだまだカレーライスの域に達していないのじゃないでしょうか。
『フローリング』なる言葉が”発明”されてからそんなに歴史も長くないんですし、
基本に戻って考える部分を残しているように思います。

深層心理における確信犯的に”まんま洋室じゃない”んだと認知されている日本の洋室に求められているものを居住性として織り込んではじめて「外来語モダン」になるのだとすると、、、

生活の上で部屋の床にゴロッと転がる日本人の習性はかなり普遍的なところあるし、そこが洋室ならカーペット敷かなければ痛くてかなわない。
洋室希望の一部には退出時の原状回復の勘違いもまだ含まれているし(几帳面な人って結構多くて、一目でわかる畳の凹みや絨毯の凹み汚れを心配しちゃう人もいるんですが、管理上はフローリングの傷の方がよっぽど高くつく場合もある上に、畳の表変えやタイルカーペットの張替えは低コストなので畳みやタイルカーペットの部屋の方が傷等神経質にならなくてもいい部屋)、育った環境が一戸建てなんかの人の場合、高度経済成長以降の一戸建ては「茶の間→リビング」でもあったので、そのイメージの延長でTVやソファーを置く”リビング重視”から「単なる連想性」だけで洋間が選択されてきた経緯もある(これはディスプレイ的店頭効果も影響あると思う「1Rのモデルルームなのにベッドが無い」とか)。
ところが、店頭効果的見栄えとしてリビングをそのままシングル世帯に持ち込むことはいいことばかりじゃ無いワケです(かえって寂しい感じがするって人もいますし)、
ファミリー世帯だってご主人は「自分の書斎が欲しい」な本音をぐっとのみ込んでいるとも言える。インナー(家族内)パブリック・イメージのあるリビングをシングル・パーソナルとして捉える難しさが構造的にあるためです。
お気に入りの家具を置くには、リビング必須ですがそこにはやはりそれなりに”所得に余裕がある”な状況が無いと生活が窮屈になったり、適当にインテリアを揃えてしまって”無意識に多人数型”仕様になってしまう→ひとりでいると妙に寂しく感じたりする。

てことは?

洋室系で部屋探ししている時ほど「少し予算より安い部屋の方がいい(所得に余裕が出る)」んですよ。
和室って既に緻密に設計された”デザイナーズ”なので、部屋の家具を最小限に片付けるだけで「カッコいい」。なので和室希望の時の方が予算目一杯の条件で探しても貧相になる事はありません。
「洋室だったら広さ最優先のストゥディオ、それから1万ぐらい賃料高いグレードの和室の空室も調べてください」
なんかよさげだと思いませんか?

本格”日本の洋室”考える意味で老舗の西洋のみなさんの『ストゥデイオ希望』の真意を確認してみましょう。彼ら的には「広々として余るぐらいのスペースが無いと、自由に好みの空間が造れない(彼らの場合”友人をむかえる”って必ずしもパーソナルだけじゃない意味もあると思う)」からで、”余るの前提”がポイントに思います。
”日本の洋室”の場合は「そこにラフにパーソナルエリアを自由に造る」になる、
「余らせるために」一部屋を広くするべく間取ストゥディオとして有効床面積を広く取る。
 ↓
でも”少し予算より安い部屋”となると狭くなるのでは?

ここからが『部屋探しの心理学』です(築浅信仰的な値上げのための部屋は論外として)、
「築年数無視」や「バラ釜OK」「3点ユニットも可」「ユニットキッチンも可」→トレードオフとして”広さ重視”とする事で可能性はぐっと高まる、図面を比較するだけでも「得るもの失うもの(トレードオフ)はハッキリします」(B・T別でと言えば居室は狭目にと言っているのと同義になるから「どっちを選ぶのか?」の選択が明解になる)。
別の作戦もありますよ。
「ミニマルコンパクトでも十分いける」な小空間での完結性を確保して無駄な荷物が元々少なければいんですよ。「持ち物多い人の30㎡より、ミニマルコンパクトな人の17㎡の方が広い」なんて事があっても私は驚きません。
『広さって相対的なもので、絶対じゃない』ですから、
家具のレイアウトが上手い人なら、部屋を広く見せるのも狭く見せるのも技術的可能性の範囲でしょう。

と、ここまで考えたところである法則性に気が付きませんか?

記憶の中の一戸建てリビングにだって、なんとなく自分の守備範囲の空間あった筈です、
(オーディオルームの設計でもリスニングポイントはピンポイント)
その一戸建てリビングのパーソナルエリアは「和室の自室それより狭くていい」のじゃないか?
ミニマルコンパクトってのは、そのパーソナルエリアのユニット単体で運用した場合のセル的発想と考えればコンセプト的に一致する。
実は床全体がオン・ザ・ベッド的和室って(どこでも転がるができる)想定パーソナルエリアはむしろ広いのじゃないか?

若干前回の話と矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、そうじゃないのです。
例の”茶室における全宇宙”の発想にしても空間認知は”広い”ですよね、
和室におけるパーソナルエリアは”3帖〜4帖半”です(家具を置けば6帖)、それで十分に広いので「6帖一間でもいい」。
心理的には「和室のパーソナルイメージは、プライヴァシーと共通している」。
洋室におけるパーソナルエリアは”1帖〜2帖”(ゆったりした椅子とデスクを置ける空間)あれですよ”ネットcafeの個室面積”ここに”余り(クリアランス)つけると4帖ジャストぐらいになる”、
リアル洋室のパーソナルって「社会性におけるパーソナル」なのじゃないかと想定すると(ミニマルコンパクトの思想は街全体と個室の関係でこれを考える)、

靴を脱ぐ洋室は、西洋型の社会性としての発想とは微妙に違い「部屋全体におけるプライヴァシーを残す」のが狙いになりますから、そのパーソナルエリアを複数置く事ができる部屋となる。
「8帖だと”クリアランス込みでパーソナル4帖×2に相当”」みたいな。

思うにそんな深層心理が「二人掛けラブソファ」とかを発明させたんじゃないでしょうかね〜(粗大ゴミでよく見かけるとかは別にして)
「ストディオ12帖あれば、僕はここに3部屋造れる」⇒同じ平米数の2DKより多様な空間が造れるので効率がいい。「実はマルチルームかも」と思えばインテリア含めて「ちょっと希望賃料より安い部屋」にも整合性がある。
だからミニマルコンパクト(それこそ10㎡〜17㎡で十分)は、ソリッドでハイスピードなイメージになるんだと思います。

やはり、この辺の詰めっていうのか、そういう日本の洋室論的な部分はまだまだ発展途上中に思うんです。
経験的にも”現在も洋室”の方が部屋の更新率(満足度)低いような気もします。


と、話に更新なんて言葉が出てきたところで、次回は更新における心理を考えてみましょう。
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