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(2010/08/14)

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昨今の経済動向と暮らしの行方

サブプライムに関しては以前かなり詳しく書いたので、大きく触れないけれども、
http://kagewari.blog.smatch.jp/blog/2007/09/post-1506.html
http://kagewari.blog.smatch.jp/blog/2007/11/9-bb96.html
一つ側面として重要な部分を付け加えるなら『経済政策的な誘導』を考えておかなくちゃいけない。政府の内部においては「高度経済成長時や戦後復興」などで、民間住宅着工的な大規模開発の経済効果を”経済指標のひとつ”として確立しているケースが多い。
当然景気対策とは、この指標の改善を年頭に置くのだから(税制改正による誘導やら)これずーっと長いこと繰返していると、「着工数が減ると何かマズイ事でもあったかのような誤解」にもなる。

よく似た経済指標のひとつが”企業の設備投資”だ、
これも新規住宅着工数と概念は同じで、始まりは「高度経済成長時や戦後復興」になる。
つまりこれ、国家経済が重工業化を始める先進国の一歩手前の政策指標であって、国内経済に締める第三次産業の割合が5割を超える先進国の場合、指標的にもほとんど意味を失っている事になる。
何故なら重視しなくちゃいけない政策的ポイントは「実質的な内需」となるからだ。
日本の場合、完全に先進国化に到達して政策的な方向転換を迫られた時期って「1985年中曽根内閣の時の前川レポート」の時。

この時、政府内部の誘導はともかく市場が暴走する形で、バブルを生み出してしまう。
これは前川レポートが原因というより「プラザ合意(アメリカ合衆国の対外不均衡解消を名目とした協調介入への合意:対日貿易赤字の是正を狙い円高ドル安政策を誘導)」に関連する”当時から既に世界的な問題になっている米国のドル余り”(赤字体質)が根本にあったのだから、今回のサブプライムローンの破綻に関しても
余ったドルが金融投機資金として世界経済の不安定要因となる→投資資金の国内市場の誘導として金融サイドには高収益の金融商品が期待されていた→国内金融マーケットに流入し→国内経済における”インフレ”が起きるのではなく→債券市場の暴騰となり→破綻した(ドル安の正体を露呈)、な構造があるのだから、元をただせば「同じような事をしでかした」って事になる。

こういった馬鹿馬鹿しい話に、都市銀行並びに知的エリート自認している金融関係者がこうもたやすくひっかかるというのは(そこで又公的資金:税金投入なんて事になるとほんとにかなわない。銀行員のやったパチンコの負債を税金で保証しているようなものだもの)、どうにも『経済指標』として至極当たり前であるかのような発想に構造的な問題があるからでしょう。

計画性の無い供給過剰を生み出す乱開発には「現場の不動産業者も迷惑する」んであって(何の問題も無いのに築浅信仰の影響もあって、管理している内容のいい部屋に空室が出たりする)、ぬか喜びするのは経済的知識が無いのか、金融サイドと連動して動いているからか、詐欺的販売業者ぐらいなもので、常識的な現場の業者なら「こりゃ困った」事になる。
現場の不動産業者が一番期待しているのは「国内の可処分所得の増大」等の所得分配率であって(生活レベルの向上で転居事例が起きる事は管理物件の総額を潜在的に押し上げる事になる)、GNPやらGDPって話じゃない。
企業や金融市場に余剰マネーがあるのなら、これを各世帯に分配してもらう経済政策を期待しているワケだ。
企業に労働所得や株主配当の形で分配する力が無いのなら、法人所得税率を上げて福祉政策で再分配すればいいだけの話で(景気が後退して法人税収が落ちれば国債を発行すればいい:その弾力性を維持するために早期に経済の均衡が必要なのも事実)、労組の組織率が下落している現在、高福祉化政策は決して左翼的な発想じゃない。

現代日本社会にとって「年金政策」=「経済政策」ですよ、
保守政党であっても内需拡大といえば「減税しか思いつかない」のでは政党の体を成さない。

じゃあ、世帯単位(賃貸や分譲購入者の側)は無力で何もできないのかと言えばそんな事も無いでしょう。
先ず道路行政みたいに、構造的に事業を拡大しないといけない産業を擁護しないように(それだけ政策判断が硬直化する→福祉行政が財政の肥大化に繋がるなんて論議もあるけれども、これ公共工事がらみの依存体質の方がよっぽど硬直的で肥大化を生む)、見当違いな再開発にはきちっと地方公共団体の選挙で意思表明を行い、内需拡大に繋がる都市計画(地域の商店街が申請する活動への優遇措置等)や経済効果も見据えた福祉政策(内容として貯蓄性向を下げる方向の政策→低所得等消費性向の高い世帯への分配)等に市民として関心を持つことも重要でしょう。結果としてそれが国内経済を押し上げるんだし(ぐるっと回って自分の所得の上昇に繋がる)、

又、新築系の話がある時にはCO2排出量(=エネルギー政策だから)に留意して”ソーラー発電”や”オール電化””高性能の断熱性能”等を重視していく事が政策誘導と同等の効果をもつ(それを効率化する新たなスタイルのセントラルシステムが開発させるのも効果的でしょう)。
こういう現象は「インターネットのブロードバンド化」や「携帯電話の高機能化」として、実際に実現しているのであって、決してナンセンスな論議じゃない。

より暮らしや住居に近いところで言えば、無理な分譲の購入をしないであるとか(はっきり言って現在の日本の場合、銀行に利益を計上させるより地元商店街に利益を計上させる方が経済効率が高い)、住み替え需要そのものの在り方に関わっている。
計画性無く「ぼんやり頭金になるかしら」等思っているなら、スパッと分譲を諦めて生活重視に切り替える方が世の為人の為なんだし(なので政府がレベルの高いセーフティーネットを供給するのは必須)、
経済ってのはぶっちゃけ「そのお金を一定期間に何回流通させたのか」の金額的な総量だから、「各人早期にリリースして、すばやいリレーが成功すると経済は上向きになる」。

分譲を考えている人も、ただ銀行に資金を寝かせるのではなく、株式市場等で(金融市場ではあるけれども新興企業の資金繰りを改善する事だってある)運用して利益は消費行動に回すとか、「生活の内容重視」でドーンと舵を切るほうが好ましい。
安い賃料の部屋への転居も、「浮いたお金をドーンと我慢していた趣味の世界に使い切る」みたいな戦術性があるほうが楽しいし、幸せが”近い”じゃないですか。

暮らしってところで考えるなら、ここも受身で考える事無く自ら積極的に(時には冒険してみるぐらいの)ドンドン新しい方向に取組んでいくのがいんじゃないかって話しです。
政策的な問題で硬直化する政府と同様、家計まで硬直化したらかなわないんであって、貯金するにしも「10年短期で総額幾ら→即計画どおりに身の丈にあった分譲にGO」のような裏打ちがあって機能してきます。
この戦術性ってものが、民主主義の時代における各世帯のテーマになるんだと思う。

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