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(2010/08/14)

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『日当たりのいい部屋』って何だろう?

漠然とした「幸せな家庭」ってイメージの投影があると思う。
何故って『日当たりのいい部屋とは一戸建てのリビング』だから、
(庭が前面にあったり、裏庭形式になったりするんだが)
マンションや団地育ちでもこれは同じ。
リビングは南向きで作られ、構造上夫婦の寝室や子供部屋は北向きになる。
旅館なんかでもそうだが、一般に日が当る庭側には廊下(1階なら=縁側)があり、部屋自体の窓は北向きであったり障子によって直射日光をコントロールする。
人生の中で北向きの部屋で暮らした経験の無い人を探す方が難しいだろう(その時「北向きであること」に激しく抗議しただろうか?)。

イギリス辺りでは「南向きの部屋は捨て部屋」って考えもあって(メインってワケではないけれど)、その狙いは「これだけUVケア商品が売られている中で、室内でも日傘を差すのか」って部分だけではなく(特に白人にUV直射は厳しい)、明暗のコントラストが厳しいと室内特有の個室感が後退してしまう、居住性の問題でもある。
@思い出して欲しいのは「やたらと陽射しが激しい電車」
ほとんどの車両でスクリーンが下がり、「スクリーンを下げてください」と声をかける人もいる。本を読むのも厳しいからだ、
実際社中でほとんどの人が日陰に座り、日向に座る人は圧倒的に少ない。
公園なら木陰が特等席だし、

つまり個別に北向きの部屋自体が否定されているのではない。
ところが、部屋探しとなると「日当たりのいい部屋希望」が断然多い。
これはどういう心理なのか、
実際内見で「ルーフバルコニー付南向き縦長横方向に開口部屋全体が日向」って部屋を内見した時のお客さんの感想は、
「こ、これは暮らせませんね・・・ (汗 っ」
(「陽のあたる部屋」には「陽のあたる場所」が必要で、正直広さ的には「12帖は欲しい」。)
東京の賃貸住宅のメインは今やマンションだが、元来マンションは(外断熱工法でない限り)アパートに比べて熱伝導率が高い、直射日光によって急速に温度上昇するので(バルコニー打ち水が有効)南は廊下にしてしまった方が居住性が上がる筈なんだが、とにかく南向きの部屋が多い。実は「心配しなくてもほとんどの部屋は南向きで設計されている」。
実際に設計やっている人(ヨーロッパでも仕事をしている)に聞いた話だが、「日本のハウスメーカーとかはやたらと南向きにウルサイ。構造上難しい場合でもとにかく南向きなんだと、合理的じゃないよって言っても“お客さんがそう言うんだからツベコベ言わずに南向きで作れ”って」
大規模都営住宅なんかだと、バルコニーによしずとすだれのオンパレードになっているのも珍しい風景じゃ無い。
UVケアの広告宣伝じゃ無いけれども、紫外線は『防ぐのが難しいぐらい』で、紫外線による殺菌を前提とした布団干しは南側である必要性は無いし(乾燥に大事なのは「むしろ風」冬でも洗濯物乾いているし)、

この心理なんだけれども、シングルルームの場合居室は同時にリビングにもなるので、リビング使用時に陽射しが無いと実家のリビング連想から考えればちょっと寂しく感じる事になる。
ところが、東京の賃貸を考えるとシングルルームが多いワケで、これをどういう形で選択すれば「日当たりのいい部屋」に象徴化されている意図を実現できるのか?
現実問題南向きで直射日光が差す窓には厚手のカーテンが引かれる事になるので(陽の当る場所を確保するには12帖は必要だと思う)、結果は暗い部屋になってしまう。
そこから考え直すと、「開放感の高い部屋」→「窓の開口率」
つまり「角部屋二面採光」って優位性は、「日当たりがいいから」というよりも結果「カーテンを閉じない窓が残るから」と考えるのが真実では無いだろうか?
方位なら、私は「シングルルームの方位は北東ベスト」論なんだけれど、この根拠は「人の体内時計は25時間で、朝の日光を浴びる(日陰の日光でも良い)事でリセットされる」のと「朝起きるのは光による目覚めがベスト」による。寝室の窓に厚手のカーテンを引く生活は健康的にもベストでは無いし、太陽は東から昇る。この結論が「北東ベスト」、

■「開放感があって居心地のいい部屋=リビング型」
「日当たりのいい部屋」という言葉で意図されているものはこれじゃないだろうか?

この場合選択肢はもっと具体的になる。
「築年数の古いもので元和室改装洋間か和室(江戸間6帖は団地サイズ8帖並)」
「窓の開口率の高い部屋=横向き6帖(可能なら二面採光)」
「1DK(こちらは寝室タイプ)より1R・1Kストゥデイオ(3点ユニットを選択する方が居室は広い)」
「理想は1LDK(40㎡以上)」
「可能なら1階(意外と知られていないが、1階にはルーフバルコニー効果があって視点の延長により部屋が広く感じる)」
「前方の見晴らしの良さ重視」
後は、自分の希望条件との矛盾点を考え直せばいい。


「自分の部屋で楽々」
元々がそんなキャッチコピーなら「日当たり重視」って初期連想は起きなかったのじゃないか。
「どこでもゴロゴロ出来る部屋」
それって和室か、、、



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コメント

初めまして。確かに北向きのお部屋は嫌われますよね。でも西日がガンガン射すお部屋も結構大変な気がします。日当たりを気にするのって日本人だけなのかなぁ。

こちらこそです〜実際は南向きの部屋って、バルコニーで陽射し制限されているんですよね(そこの設計が腕の見せ所)、バルコニー部分が室内化されているマンションもあるのですがこのタイプは、この室内化したバルコニーを「サンルーム」と呼びます。昔のタイプになるんですが、サンルームと居室には障子があったりするんですよね。なので、マンションで南向きに部屋を設計する場合の日照って「基本的にバルコニー内で抑えて、居室内には60cm程度とする」ってのが理想(日光の射入角をコントロールするんです)になるます。ここが『陽のあたる場所』になるんです、これで通常の「6帖(=9.2㎡として)」だと、畳一枚〜分ぐらいデッドになります。体感は4帖半、ところがマンション(特に築浅は)の居室表示は団地サイズの畳でカウントされる事が多いので「6帖(=7.7㎡)」、これから考えると体感4帖あるか無いかだと、で、西日の射入角から考えると「すごーく室内に入る」ので、遮光カーテン必須になりますね。これがアパートで和室になると(温度の変化もゆるやかで、窓が腰高だったりするので)晩御飯時には暖かいいい感じ(間接照明効果みたいなものでしょう)になる場合もあります。ケースバイケースなとこはやっぱあるんですけれど、特に日本では「日当たり」って言葉が、「幸せ」のキャッチコピー化している側面は間違いないとこで、本気では日当たりを意図していなかったりするんです。かな〜り奥の深いテーマなんですよね〜

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さてここで英国の住宅事情を少し

日本では物件探しをするときに
日当たりがよいかどうかが選択肢を決めるひとつとなる

英国では不動産の物件に日当たりよしなどの記述はない

夏のほんの数週を除いた以外は雨がちで毎日が曇りのこの地では
そもそも日が当たるこ... [続きを読む]